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  鉗子(カンシ)

医療現場で使用する、刃のないハサミのような形をした鋼製器械の総称。
主に器官や組織などを挟み、牽引したり圧迫したりするのに用いるもので、目的により様々な種類と形状のものがある。
以下は主な鉗子の名称と用途

ペアン鉗子 主に外科手術で、切断した血管を挟んで止血するのに使用する鉗子(結紮用の糸をかけるため)
コッヘル鉗子 主に外科手術で、硬い組織にある血管を掴んで止血するのに使用する鉗子
 ミクリッツ鉗子  開腹手術で、腹膜を開いておくために使用する鉗子
先端部は弯曲し、大きな鈎がある
ブルドッグ鉗子 人工透析のためのシャント造設時など、血管同士の吻合のために血流を一時的に止めるときに使用する鉗子
ケリー鉗子 開腹・開胸手術で、薄い膜を剥離したり、血管の結紮などに使用する鉗子
先端が細く繊細な作業向け
アリス鉗子 腸管などの柔らかい消化管を吻合するときに、対象の消化器を把持(しっかり持つ)するために使用する鉗子
リンパ節鉗子 リンパ節を周辺組織から剥離し安全に優しく把持するために使用する鉗子
先端部はリング状になっている
マギール鉗子 主に麻酔医が、鼻から挿入した管を気管内に誘導するために、口から挿入して使用する鉗子


把持する対象や目的に合わせて様々な形状がある。
左:マギール鉗子/ 右(上から):ドアイヤン鉗子、アリス鉗子、ミクリッチ鉗子、
リスター鉗子、ケリー止血鉗子、コッヘル鉗子(反りあり)、コッヘル鉗子(鈎あり)、
コッヘル鉗子(鈎なし)、ペアン鉗子。(※これでも一部)



今回写真を撮らせていただいた鉗子の中で一番長いドアイヤン鉗子と一番小さいブルドッグ鉗子。
同じ鉗子でもこんなにサイズが異なる。


撮影協力:村中医療器株式会社