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耳鼻咽喉科治療用器具

耳鼻咽喉科で日常的に使われている小道具類について、機器メーカーの方にお話を伺った。
耳鼻咽喉科は、アレルギーの人が多く受診するが、手術も行う。シンプルなものからあまり目にしない特殊な機器まで紹介しよう。

①鼻鏡

鼻の穴を開いて、吸引やスプレー噴霧、塗薬などのアプローチをしやすくするのが目的。
ペンチのような形状で、握ると先端部分が開き、鼻の穴を開く。

鼻鏡。岡田改良フレンケル氏型、和辻氏型、ハルトマン氏型、キアリン氏型などがあり、考案した医師の名前がついていてそれぞれ形状が異なる。写真はハルトマン氏型。
②耳鏡

耳の治療の際に耳に挿入して観察し、耳垢の除去や塗薬などのアプローチをしやすくするためのもの。
その名称から鏡面加工されているイメージが強いが、マット加工(つや消し)のものや黒メッキもあり、医師が自分の好みで選んでいる。実は、好みの形状で、医師の出身大学がわかるとも言われており、これは大学の授業で使ったものをそのまま使う場合が多いからだそう。

朝顔型、神尾氏型、岡大式、吉田氏型、ローゼン氏型等があり、それぞれ大きさも3~4段階ある。耳鏡を並べて置いていく専用のトレイを耳鏡架という。
③額帯反射鏡

ユニットに装備されている照明を額帯反射鏡で受け、反射光で患部を照らし、中央の穴から患部を覗き見て処置するもの。
マンガに出てくる医者は額に反射鏡をつけているが、まさに耳鼻咽喉科医の特徴である。
LEDのヘッドライト(電池式)を使用する医師が増えてきているが、額帯反射鏡を好んで使用し続ける医師がいるという。
大学病院では入局した時に教授から記念品として名前入りの額帯反射鏡をプレゼントするところもあるそう。

額帯反射鏡。額帯反射鏡の裏側(医師の顔側)は黒く塗装されていて、ここに名前を掘ることもあるという。
④LED式ヘッドライト

診療の際に視野を直接照明し、手元や患部を明るくして観察することを可能にするもの。

LEDヘッドライト。右側の四角い箱がバッテーリーケース。
⑤鑷子(せっし/ピンセット)

ピンセットには役割がいろいろあり、工作好きな人は工具として、家庭では薬をつけたり化粧用の毛抜きのようなものもあるが、耳鼻咽喉科用にもいろいろな種類がある。
使用する目的や、対象部位(耳なのか鼻なのか、外側なのか内部なのか)により先端の形状はさまざまある。
耳鼻の診療、手術などの際に、綿花やガーゼを挿入したり引き出したりなどその他物をつまむのに用いる。
耳鼻用の鑷子は使用する場所が狭く深いところが多いので、医師の視野を防がないようバヨネット形状、あるいは強弯状になっている。

耳や鼻の奥へアプローチがしやすいように、一般の鑷子(ピンセット)より、長く、そして曲がっている。
⑥通気器具

耳管狭窄症の治療時に、狭窄部を空気で開通させるための器具類のこと。
いわゆる耳抜きできない状態や、風邪などの際に自分の声が大きく聞こえてしまうような症状の治療に使うもので、欧氏管カテーテル、通気2連球、送気ゴム球、オトスコープ、欧氏管ブージーなどがある。
写真はオトスコープ。患者の鼻から空気を送り込んで鼓膜の空気圧を調整した時に鼓膜でかすかに鳴る「ペコッ」という音を聞き鼓膜の動きを確認するためのもの。
クリップで医師の胸ポケットなどに固定し、片方を患者の鼻へ、片方を医師の耳に入れてスタンバイOK。
診療ユニットの「vent」ボタンを押して患者の鼻から空気を送り込む。

オトスコープ。鼓膜のかすかな音を聞くためのもの。ユニットの通気セットと組み合わせて使用する。
⑦イオン浸透式麻酔装置

耳鼻咽喉科で鼓膜を切開するときに鼓膜を麻酔するが、その時に耳に入れた局部麻酔剤に通電し、麻酔の浸透を早くするための機器。鼓膜切開開始までの時短が目的で、患者の負担を軽減することができる。
患者の腕に、生理食塩水をたっぷり浸したガーゼをあて、その上に黒いコードの先の電極版をゴムバンドで装着し、赤いコードの先(外耳電極)を耳の中の麻酔剤に浸ける。通電の時間は12分程度でよい。

イオン浸透法式麻酔装置。

取材協力第一医科株式会社ショールーム > ENT+(イーエヌティープラス)

 

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