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日本医療のアウトバウンドとインバウンド (3)

日本の医療を海外へ、海外の患者を日本の病院へ。

金谷氏 北野理事は海外と国内で活動をしていらっしゃいますが、その中でMEJの意味についてお話しください。
北野氏 MEJの活動の中心は、医療界・産業界をうまく融合させながら一体となって日本の医療を提供していくことだと考えています。
日本の医療メーカーは製品を何十年と海外に輸出してきています。現地に工場なども置きがんばっておられるわけですが、残念なことに欧米のメーカーになかなか追いつけないのが現状です。
その理由としては、海外のメーカーは医療者と連携しながら現地のニーズにどう応えるかを考えており、そのためには、ファイナンスや医療指導も含め、全般的に病院を作るために何が必要なのかを理解できているという点ではないかと思います。
方向性としては、個々の製品を売るのではなく、日本の医療をどう提供していくか、その中でこういう製品があり、企業ではなく医療者がその効果を発信していく、そういう活動をしながら海外企業との差を埋めていく必要があると感じております。

MEJ北野理事

金谷氏 海外のアウトバウンドの拠点と、日本での機器類の関連性、相乗効果、関係性などについて教えていただけるでしょうか?
北野氏 海外で医療機器を販売している方は「日本の製品の技術力の高さについてはまったく疑っていない、知りたいのはそれが医療的にどういう効果があるのかそれを知りたい」とおっしゃいます。また、海外の先生方からは「実際に自分の患者さんがどうなるのかを見てみたい」と言われます。
これはヨーロッパの医療施設が日本の放射線治療の機器を導入した時の話ですが、その機器を導入している医療施設に患者さんと一緒に医師も来日されて、その機器で照射し、患者さんがどうなったかを見ていかれた。自分の目で確かめてこういう効果があるならぜひ入れたいということで、その機器は導入されることになったといいます。実はこれがアウトバウンドにとって不可欠であるということです。また、その医師と患者が得た結果を見て他の医療施設への機器導入も決まったといいます。
つまり、導入する物、購入する物がどういう効果があるか知りたい、実際の自分の患者さんで見てみたいと思っている。ならばすでに導入されている日本の施設に見に来ていただく。機器を海外の医療施設に導入していただくことはアウトバウンドですが、そのために日本の医療施設が海外の医師と患者を受け入れる、という流れがインバウンドにもつながってくるわけです。

金谷氏 インバウンドの中で、MEJは海外の患者さんを受け入れる病院を推奨する事業、ジャパンインタナショナルホスピタルズ(Japan International Hospitals=JIH/http://www.medical-excellence-japan.org/)という取り組みをしていますが、その意味とその内容を教えてください。

MEJが運営しているJIHのサイト。
「Find a Hospital」ボタンクリックで、病名、科目、病院名で日本の病院の検索ページへジャンプする。

北野氏 自国以外の病院で医療を受けたいと希望される海外の患者さんに対して、日本の政府として日本の病院をリスト化し情報発信していこうと立ち上げたのがJIHです。
個々の病院でも情報発信はしていますが、患者さんからは、第三者からどういう評価を受けているのかがわからなければ、自分の命を預け、大金を使って治療に行くという決断ができない、というお声もいただいていましたので、政府のガイドラインに沿って私たちMEJが病院の推奨を行っています。JIHの海外の方向け日本の病院を検索できるページ
「JAPAN Hospital Search」には、実際に患者さんを受け入れる体制があるか、どんな医療を提供しているのか、どういう事業者がその病院を支援・サポートしているのかなどを掲載しています。

●インタビューメンバー紹介

山本修三氏
一般社団法人Medical Excellence JAPAN代表理事(理事長)
内閣官房健康・医療戦略参与
日本病院会 名誉会長
北野選也氏
一般社団法人 Medical Excellence JAPAN 業務執行理事
金谷浩明氏
一般社団法人 Medical Excellence JAPAN 技術サービス部部長
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