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はじめに

連載「医療パラダイム・シフト」論 ~少し未来の医療のカタチ~
日本の医療では、政府主導で世界中の人々に必要な最先端の医療技術を提供するために、日々基礎研究や臨床研究が行われています。今、日本で始まろうとしている、新たな医療改革=パラダイム・シフトを、先進的な技術とともにお伝えしようと思います。
(一般社団法人Medicla Excellence JAPAN 理事長 山本修三)

 

はじめまして、一般社団法人Medicla Excellence JAPANの山本修三です。
私共Medicla Excellence JAPANは、『医は仁術』の精神がもたらした世界に誇る医療技術やサービスについて、ノウハウを含め「日本医療」を海外へ展開していく活動をしています。

この連載を始めるにあたって、Medicla Excellence JAPAN(以下「MEJ」と記載)の活動と、日本の医療について少しお話をしておきたいと思います。

医療にもある需要と供給のバランス
海外で、もちろん日本でも、病院や医療環境を整備するときに、私たちがまず調べるのは、その国や地域の経済の状態、保健医療の水準、人口の増減、若い人が多いのか長寿国家なのか、そういった現在の状況です。
効率的で効果的にその国や地域にあった医療を供給できるよう、情報をまとめ、計画的に医療整備を進めていきます。

それは、お店に並べる商品と同じように、医療にも需要と供給があり、医療を提供する国や各地域の特性によって疾患の種類や医療提供のあり方も変わってくるので、これらはとても重要な要因になるのです。
例えば、感染症や乳児の死亡率が重要課題の地域では、日本のような長寿対策はまだ必要ではありませんね。これが医療における需要と供給ということです。

にっぽんの病院や医療環境、予防的対策も、そういった考えのもと行われてきました。

医療も需要と供給のバランスは大切。
国の内外に関わらず、その地域で求められている医療を適切に提供していくための仕組み作りに協力していくのが私どもMEJの仕事です。


ビッグデータと少し未来の医療のカタチ
日本は1961年から国民皆保険制度が導入され、57年を経過しました(2018年現在)。
その長い時間の中で、人口動態や医療需給に関する膨大なデータが、蓄積され、多角的でかつ緻密な情報として整備されて来ました。いわば、日本医療に関するビッグデータが存在しているわけです。

この稀有で貴重な医療政策の経験を数値化して残したデータ資源=日本医療のビッグデータは、良いも悪いも含め、日本が行ってきた医療政策、そのために供給してきた医療、そしてその結果が見て取れる貴重な情報です。そして、この情報は医療を効果的かつ効率的に提供する方策を考察し検証するためのデータバイブルとしても大変価値のあるものです。

例えば、ビッグデータからは、以下のような情報が得られるようになっており、それらを可視化・モデル化も可能です。
①地域、年齢階級、男女別の人口動態の変化と疾病の患者発症率
(日本の医療需要に関するデータ)
②医療施設ごとの病床数、医療機器数、医療従事者数などの病院資源量
(日本の医療供給に関するデータ)

57年分のビッグデータは日本医療のデータバイブルでもあります。

現在、日本の医療政策は、このビッグデータから導き出される地域ごとの特性、医療環境、疾病構造の変化予測を用いて検討されています。

一方で、日々様々な医療技術や医療関連サービスの開発が進められており、それらがもたらすこれまでの医療の規範や価値観の変化によって、医療パラダイム・シフトが起こるといわれています。

データによる変化予測と技術による医療の変化。
このブログでは、この2つの大きな変化がもたらす、少し先の医療のカタチについて、これからお話していこうと思います。


執筆者紹介
山本修三氏
一般社団法人 Medical Excelence JAPAN 代表理事(理事長)
慶応義塾大学 医学部 客員教授
日本病院会 名誉会長

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