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第1回 医療需要と医療供給は段階的に整備され高度化し複雑化していく

連載「医療パラダイム・シフト」論 ~少し未来の医療のカタチ~
日本の医療では、政府主導で世界中の人々に必要な最先端の医療技術を提供するために、日々基礎研究や臨床研究が行われています。今、日本で始まろうとしている、新たな医療改革=パラダイム・シフトを、先進的な技術とともにお伝えしようと思います。
(一般社団法人 Medicla Excellence JAPAN 理事長 山本修三)

国の状況と一緒に成長する医療環境
前回もお話したように、経済の発展や人口動態の変化に伴い、その地域の疾病構造は変化します。
求められる医療が変化すればそれに合わせて、病院の機能(設備や導入する医療機器類)や医療スタッフの構成も一緒に変化させていく必要があります。
また、適切な医療を供給し続けるには、長期的な投資が必要になるため、いきなり医療先進国のような医療環境は作れません。

下図は、国や地域の発展状況とそこで必要とされる医療プロセスを表したものです。
一国の医療政策は、医療需給の段階的プロセスを計画的で効率的に整備していくことでもあるのです。
この点については、いずれ詳しく説明しましょう。

医療圏という考え方
医療社会システムを構築するとき、医療の需要と供給のバランスをとるための範囲として、医療圏という考え方があります。

みなさんは、ちょっとした風邪を診てもらうために電車で何十分もかかる診療所に行ったり、入院用のベッドが何百床もある総合病院に行ったりはしないと思います。
一方、緊急時の搬送には救急車がいいのかドクターヘリがいいのかは、患者の状況と対応できる医療機関までの距離で判断が必要です。

このように傷病と受診する医療機関の間には、距離と医療機関の規模や提供できる医療が大きく関わってきます。この関係性を「医療圏」と呼び、階層的に4つに分類できます。

医療圏の階層イメージ

 

国や地域の医療計画を進めるときには、単にたくさん病院を作ればいいというものではなく、集患範囲と医療機能や技術レベルを考慮して、医療社会システムを機能させる階層的な基本構造として「医療圏」を設定・最適化していくことが重要なのです。
執筆者紹介
山本修三氏
一般社団法人 Medical Excelence JAPAN 代表理事(理事長)
慶応義塾大学 医学部 客員教授
日本病院会 名誉会長

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